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モブの日常

映画「漁港の肉子ちゃん」良かったところ、悪かったところ【ネタバレなし】

伊集院光のラジオで絶賛されていたので「漁港の肉子ちゃん」を観てきました。

 

原作が小説で明石家さんまが映画をプロデュースしているらしい、ぐらいしか前情報は頭に入れていませんでした。

 

内容としては肉子ちゃんと呼ばれる、食いしん坊で豪快、底抜けに明るい母親と、それとは対照的な小学五年生の娘、見た目もよく、賢くて運動神経のいいキクコの日常を描いたハートフルコメディ。小学校高学年の女子によくある抗争にキクコが巻き込まれたり、肉子とキクコの間には大きな秘密があったりと、その中で描かれる親子の対話やキクコの心情描写にジーンとくるものもありました。

良かった点

まず第一に大竹しのぶの演技が凄すぎる。大竹しのぶのための作品といっても過言ではないくらい。今まで大竹しのぶの演技というのは見たことがなかったのですが、今回の肉子ちゃんみたいな明るく豪快、それゆえにちょっと品がない、そういう役もまるでそこに肉子ちゃんがいるかのように思わされました。綺麗な役は誰でもできるとは聞いたことはありますが、泥にまみれるというか下品というかそういう役も演じてこそ役者なのだなと感じました。

 

第二に母娘の愛です。年齢も重ねてきたせいか、こういう親子の愛情を描いた場面では自然と泣かされてしまいます。

 

悪かった点

これは明石家さんまプロデュースで吉本が製作に関わっている以上仕方なかったと思うのですが、ちょいちょい出てくる吉本のノリが面白くないし作品を邪魔してます。笑いに寄せるのかシナリオに寄せるのかも中途半端になってしまった感がします。

 

二つ目にシナリオがとっ散らかってるという印象を受けました。原作は読んでいないのでわかりませんが、原作から入れたいシーンを取捨選択が上手く出来ずに一個一個がしっくりくる形でまとまっていませんでした。やはり何処を入れたいか以上に何処を捨てるかというのは大切ですね。

 

三つ目に映画の終わり方がひどいです。詳しくは書きませんが昭和の男の女性観の悪いところが如実に出てしまっているような感じです。もしくはラストへの描写を省いてしまったのかもしれません。

まとめ

原作小説が好き、親子の愛情を描いた作品が大好き、大竹しのぶの演技が観たいという人は映画館で観たほうがいいかもしれません。それ以外の方は上映している劇場が少なくなっている今、無理に観に行く必要はないかと思われます。配信やブルーレイ化した後でそれでも興味があるのならどうぞという感じです。個人的にはあまりおススメできる作品ではありませんでした。